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『盗まれっ子』刊行記念 杉江松恋の○○トーク」VOL・7 ゲスト:田口俊樹先生(2011.6.15開催) 

              盗まれっ子


6・15(水)夜7時より、「杉江松恋の○○トーク」VOL・7が開催されました!ミステリのことならこの人!である書評家・杉江松恋さんをナビゲーターに毎回多彩なゲストでおおくりするこのイベント。今回は、初のファンタジー系ミステリー『盗まれっ子』(キース・ドノヒュー著、武田ランダムハウスジャパン)刊行記念です。ゲストに、翻訳した田口俊樹先生をお迎えし、「盗まれトーク」(いつも、○○の中に、そのときのキイワードを入れて、トークのタイトルテーマにするのです)はスタート!

本書は欧米で語り継がれている妖精や魔女の「取替えっ子伝説」がベースになっています。悪い魔女やいたずら妖精が人間の子供と自分たちの醜い子供を取り替えてしまう、というこの伝説、「著者が、取替えっ子である子鬼(ホブゴブリン)たちの集団を、こどもだけのコロニーとしてネバーランド的に描いてるのがめずらしいですね。さらに取り替えられた人間の子は子鬼と同化して成長せずにふたたび自分が人間の子として取り替えられるのを10年でも100年でも待つ。一方、うまく人間界にもぐりこんだホブゴブリンの子は人間として大人になっていくんだけど、いつバレるか不安。つまり<これで幸せ>じゃなくて、2人とも異界で適応をしいられるんですよねえ。存在や魂の、漂流物語としても読めます。」と松恋さん。

「そうそう、最初、読んでよくわかんなかったんだけど(笑)、これからどうなる?!という妙なサスペンス感があるんですよねえ。作者は現在50歳でこれがデビュー作らしいんだけど、2人はどうなる?!って読者がずっと興味を持つ。これは物語でいちばん肝腎な力ですよね」と田口先生。

さらに話題は妖怪に!?「最近話題の京極夏彦さんの『豆腐小僧』や松谷みよこさんのちくま文庫「現代民話考シリーズ」があるでしょ。京極さんは近代日本が忘れたものを妖怪小説に託して描く人だし、松谷さんので僕がお気に入りの話は、たぬきが機関車に轢かれちゃうの(笑/泣)。汽車が走るご時世は夜の闇が無くなっているわけですが、それにたぬきはついていけず轢かれちゃう。<暗がりから明るさへ>という進化に適応できずに失敗する。『盗まれっ子』を読んでいて、<海外モノ>というより日本人のノスタルジーを感じる小説だなあ、と思いました」と松恋さん大絶賛。

「子鬼たちの森も<アメリカ!>というより日本の山とかヨーロッパの森って感じだしね。アメリカの荒野って<なにもない恐怖>なの。スティーヴン・キングが描く<大自然のど真ん中にいて、人がどんどんおかしくなっていく>なんて話は、虚無の恐怖なんだ。日本的な山、欧州的な森は<そこから何かが出てくる恐怖>だよね。それが<何かいそう、何かが生まれる>という豊かさにもつながる」と田口先生。

面白い読み方がどんどん披露され、お客様大満足のうちにトークは終了。その後のサイン会もにぎやかに進行し、梅雨のうさを吹き飛ばす、フレッシュなイベントとなりました。

(六本木店スタッフ 間室)
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